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【清水エスパルス】岡崎慎が担える新たなビルドアップ!エスパルス流サリーダ・デ・バロン

【清水エスパルス】岡崎慎が担える新たなビルドアップ!エスパルス流サリーダ・デ・バロン

【結論】岡崎慎への信頼が「可視化」しているならば…

 今季の清水エスパルスは、開幕前・リーグ中断期間に盛り上がったように「まこ」と「ゆーご」のシーズンである。エンターテインメント&グッズの売上だけでなく、チームの攻撃の組み立てと最終防波堤も彼らが担うことになる。クラモフスキー監督が昨季の横浜F・マリノスのヘッドコーチである前提からすれば、DF岡崎慎は畠中槙之輔であり、CB立田悠悟はチアゴ・マルチンスの役割を与えられたシーズンだ。多くは動画の中で話したものの、
・話忘れてしまったこと
・流れ上省いたこと
・「岡崎慎」である理由
・クラモフスキー監督が見据える「完璧と思わせるシステム」
等、この記事が動画の「サブ」にもなりつつ、異なる位置づけにもなることだろう。

【動画|ミルアカ】【清水エスパルス】岡崎慎が担える新たなビルドアップ!エスパルス流サリーダ・デ・バロン

ミルアカで動画化した理由

 「清水エスパルスが上手くいっていない」
この手の記事やSNSが増えたように感じたのはいつの頃だったろうか。順位が浮上しなかったり、失点が積み重なってしまうことでサポーターの負の感情は高まっていく。ただ、ファクトと感情は異なるものだ。だから、僕の持つデータでファクトを浮き彫りにしつつ、新たな方法論を提示することができたら、ポジティブなストーリーを紡ぐことができるのではないか、その想いからパワーポイントを立ち上げた。

解像度は写真だけではなく言葉にもある

 「クソだ!」と自らの感情を刺激性のある言葉で世の中に吐露する現象は、国内でも海外でも、スポーツの場面において用いられてきた。特に、今季は観戦ルールが厳格化されたシーズンであり、その場の感情で”口撃”をスタジアムで発露することができず、SNS上に半永続的に残り続ける形で露見させてしまう姿も目立つようになった。
 また、メディアの記事も「ポジティブな記事」より「ネガティブ基調な記事」の方がクリック率が向上してしまうことから、権威性の観点からも「ネガティブな内容」がより我々のもとに高確率で届きやすくなってしまった。
 ただ、一口に「駄目」と刺激的につぶやいても、「いつ/何/誰/どこ/なぜ/どのように」と棲み分けたり、「仮説/検証/方法論/ピッチ上の事実/提案」までなければ、空を切る空虚なものになってしまう。「駄目」を因数分解して、「良し悪し」を見つけてこそ、「駄目」な部分は高い解像度となる。感情を一度飲み込んで言葉にすることで、高い解像度の言葉を露出することが出来るのだと思う。

【導入】世界中がビルドアップに苦戦中

【結局何が課題?】|ミルアカ/ノーミルク佐藤

 清水エスパルスの課題は「ビルドアップとそのケア」だ。きっと多くのメディアでも取り上げられているだろうし、データ以上に見ているだけでも把握はできる。ただこれが「エスパルスに限ったこと」ではない点をまずは理解したい。
 2019-2020シーズン(国内では2019年8月)から導入されたゴールキックの新ルールは、世界中のビルドアップに関する戦術の根幹を変化させた。動画では語らなかったが、本来は「VAR」に基づく戦術の変化も今季本来はあったはずだ。2019年5月のU20W杯で試験導入されたルールだが、世界中のクラブで対応に追われた。特に、日本同様春秋制を採用するリーグにとっては、シーズン後半戦の途中で急に変わり(情報は出ていたといっても)、敵軍が新戦術を繰り出してくるかもわからない。日本国内では、リーグ戦に加えてルヴァンカップや天皇杯もあり、各年代の代表招集もある。さらにいえば、昨今の夏の移籍市場の激化対応等もあり、急に新しいことを初めて結果を出すどころか、現状戦術へのフィットだけでも難しい世界になっていた。エスパルスに限って言えば、5月中旬の監督交代で新指揮官・篠田善之がその任に就いて2ヶ月のタイミングであり、続出する負傷者と戦力整理にも時間を注いで、確実な残留を決めるための動きに奔走していた。
 2020年に新指揮官クラモフスキーが就いたことで新たな形を作り上げることとなったものの、未曾有の事態が発生した。開幕節では勝点こそとれなかたものの、開幕節と第2節では全くもって趣も変わってしまった。
 VARはなくなり、観客・サポーターも不在、賞金の減額に加えて、先の見えない展開、4ヶ月試合はなくなったどころか、約3ヶ月の間グループトレーニングも厳しくなり…、再開後の日程が常軌を逸した過密日程…。前年からの積み上げがある「鬼木達・川崎フロンターレ」や「ロティーナ・セレッソ大阪」、「城福浩・サンフレッチェ広島」、「片野坂知宏・大分トリニータ」らはダメージを最小限に済ませられたが、ACL参戦組の横浜F・マリノス、FC東京、ヴィッセル神戸の日程的ダメージは深刻かつ、前年の好成績組は対策されやすく、対策の出来る時間もできてしまった。好調であった名古屋グランパスやサガン鳥栖は新型コロナウイルスの驚異をモロに受けた。北海道コンサドーレ札幌は新卒以外の加入がなく、日程面での人数的な不利や立地上の不利を被ることになった。戦術的には、監督交代のあったベガルタ仙台や鹿島アントラーズも大きなダメージを食らい、清水エスパルスはこの難局を監督1年生に託すことになった。

【明確な課題】ビルドアップ

【課題明確/ビルドアップ】|ミルアカ/ノーミルク佐藤

 これだけの過密日程の中、1ヶ月前の試合でも最早サンプルとしては「古い」状態となる。動画を収録する直近横浜F・マリノス戦ではCB立田悠悟がレッドカードでの退場になってしまったり、そもそも相手と与するために戦術もフォーメーションにも変化があったため、その1つ前である鹿島アントラーズ戦を軸に話を進めたい。
 主役は岡崎慎だ。もちろんここがCBヴァウドになるケースもある。しかし、ビルドアップ主眼で導きたいスタイルと踏まえれば、岡崎慎がFC東京へ戻ったあと(レンタル契約であるため、願望は一旦脇においときましょう)も、総合力型CB+ビルドアップ型DFの形にはなるのではないか。鹿島アントラーズと清水エスパルスは同様の悩みを抱えた。しかし、アントラーズはGK沖悠哉を据えることでビルドアップの問題を解消した。エスパルスの場合、GK梅田透吾・GKヴォルピといった選手たちがベンチに入っておらず、DFにビルドアップを託している。DFメンバーを考えると、偽SBの役割を担うSBエウシーニョ・SB奥井諒・DF金井貢史、MF石毛秀樹、全体のカバー役であるCBファン・ソッコ、両PA内で力を発揮するCBヴァウド、最終ラインでの守備力に自信を高めるCB立田悠悟と岡崎慎以外は、ビルドアップ担当のプレイヤーではない(ヴァウドが一時的に務めて結果を残しはしているものの、おそらく狙いの役回りではないのだろう)。
 課題はOMF・CMFタイプの選手が最終ラインに落ちてビルドアップを担当することにある。一つのセオリー通り中盤から1枚落ちてビルドアップに参画し、両サイドバックが前進する形式だが、左右がアンバランスであることに加え、ビルドアップ3枚の並びが…
立田悠悟:ディフェンス役・フィード役ではない
中村慶太:ディフェンス役ではない・フィード役
岡崎慎 :ディフェンス役・フィード役
となる。事あるごとに岡崎へボールが回るは彼に対する信頼の現れでもあるだろうが、動画で話し、図で表した通り、数的優位構造にギャップが生じてしまっている。結果、この改善こそがエスパルスが着手すべき問題となる。

【方法論】ビルドアップ数的優位の徹底

 クラモフスキー監督が着手している「サリーダ・デ・バロン」だが、
・GK含めて4-2の構造になるファーストポイント
・FWまで落ちてきてしまうことで相手DFのフィルターになりきれていない問題
によって、自ら試合展開を難しくしてしまっている。
さらに、相手が3枚でのプレスでも1枚しか落ちてこないことで「数的優位」の条件が噛み合っていないことが問題だった。
そのため、上記のサリーダ・デ・バロン&サリーダ・ラボルピアーナ の構造で自陣・中盤を突破し、敵陣に1-2枚のプレイヤーを送り込むことに費やせるようになれば話は変わる。この構築まで時間がかかり、エスパルスは着手している途中だからこそ、あらゆる問題が生じてしまっている。もし、今の理解度状態ですぐ結果を残すのであれば、一つ提案できるのが以下になる。

【提案】ビルドアッパー岡崎慎を右ではなく中心に持ってくる

 CBの間に中盤の選手が落ちてくるのが「サリーダ」の形式だが、CB2枚の間に中盤の選手では、守備力の問題で厳しい部分がある。もちろん、ヘナト・アウグストや竹内涼の2人が中盤に入る限りは異なる展開も生じるものの、いずれにせよ「守備力のある選手が中央に残る形式」の「サリーダ」スタイルを構築したいところだ。

【追記】湘南ベルマーレ戦のスタメンリリース段階

GK大久保択生
CBヴァウド
MFヘナト・アウグスト
MF六平光成
MF西澤健太
MF竹内涼
MF中村慶太
FW後藤優介
FWカルリーニョス
FWジュニオール・ドゥトラ
FW金子翔太

立田悠悟はサスペンションで、鹿島戦で失点に絡んだ岡崎慎、宮本航汰が不在で、マリノス戦で奪われた鈴木唯人がサブになった。
ヴァウドが空中戦、ヘナトが地上戦担当となり、ビルドアップを六平、最前線へのアタッキングを西澤が担当することになるだろうが、本来の狙いとは異なる。苦慮も見て取れる際は以下もしれない。シーズンはまだ時間がある。クラモフスキー監督が我慢と、挑戦の心を続けられば、間違いなく来季にかける戦術は花開くはずだ。

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②2019年05月大塚校
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