昨シーズン、FC東京は悲願の初優勝に届かなかった。目標達成のため、どこよりも早くキャンプをスタートし、得点力向上を図るために4−4−2と4−3−3併用を公言。長谷川健太監督が掲げるファストブレイクの具現化や得点力向上がポイントだろう。昨年のリーグ戦、スタメンの顔ぶれに変化は少なかった。しかし、今シーズンは序盤戦のリーグ戦とACLの並行、東京五輪開催に伴うアウェイ8連戦と昨年よりスケジュールはハードとなる。そのため、1シーズン通して戦い続けるためにも、カギはレギュラークラスを脅かすような若手選手が現れるかだ。
書き手：Y.K 編集：佐藤祐一
GK・DF
レギュラークラスの顔ぶれに変化は少ない。新卒・昇格を除けば、CB岡崎慎（清水エスパルス）をレンタルに出した代わりにCBジョアン ・オマリを獲得したのみとなった。懸念材料は左サイドバックか。昨夏の太田宏介に加え、オ・ジェソクのレンタルバックに柳貴博がベガルタ仙台へレンタルと、小川諒也に不測の事態が起こった際、高卒2年目の中村拓海やルヴァン杯やJ3で経験を積んだルーキーバングーナガンデ佳史扶の台頭が鍵となる。
MF
逆三角形の中盤構成に変化し、アンカーの位置をMF橋本拳人またはMF高萩洋次郎のどちらが起用されるかでインサイドハーフも陣容も変わる可能性がある。ACLプレーオフでもスタメン起用されたルーキーのMF安部柊斗は、リーグ戦でも早々からチャンスを掴み取るポテンシャルを秘めている。ボール奪取力やスタミナ面で貢献度が高く、ハードワークが信条となる今季の中盤でキープレイヤーになるかもしれない。
FW
得点源のFW永井謙佑とFWディエゴ・オリヴェイラは、昨年終盤に負傷し、回復途上にある。特に永井謙佑は序盤戦の不在が確定だ。そこでチームは、テクニックとスピードに長けたFWレアンドロとFWアダイウトンを獲得し、3トップのオプションを可能とした。また、昨季J3得点王のFW原大智がウインガーとして新境地を開拓し、武南高や法政大で“メッシ”と形容されたFW紺野和也も控える。アタッカー陣はそれぞれ特徴的な選手が揃っており、バリエーションは豊富だ。また得点力アップを狙う上でも、前線の攻守の連動が肝になる。
