金明輝監督は、これまで2度シーズン途中から指揮することはあったがシーズン立ち上げ時から指揮を執ることは初めてだ。鳥栖のアカデミー時代にやってきたスタイルをトップチームで体現することを目指し4−3−3の布陣で戦う。各ポジションのレギュラークラスが移籍してしまったが、成長途中にある若手の実力者を獲得した。ネームバリューが目立つ強化から限られた予算内で「目指すスタイル」に合う選手が集まった印象だ。サガン鳥栖U18をユース年代強豪に仕立てた手腕をトップチームでも発揮できるか期待したい。
書き手：Y.K 編集：佐藤祐一
GK・DF
GKに守田達弥、CBに宮大樹とエドゥアルド、左サイドバックに内田裕斗を獲得した。DFラインの移籍が目立ち、必然的に補強ポイントになったが、金明輝監督が求める能力を兼ね備えた選手を獲得できた印象だ。右サイドバックの原輝綺は復帰が晩春～初夏となるため、主将に就任した小林祐三や明治大学から加入した森下龍矢が脇を固める。
MF
逆三角形の構成が確実で金監督のサッカーを熟知する鳥栖アカデミー出身の18歳、松岡大起には大車輪の活躍が望まれる。この布陣を志向するにあたってインサイドハーフの選手が少ない印象は拭えないがルーキーMF本田風智が抜擢される可能性もありえそうだ。キック精度の高い原川力とベガルタ仙台から加入した梁勇基が主軸になってくる可能性もある。起用の方法によってはパクジョンスをアンカーに据えて松岡大起をインサードハーフに置く考えもできる。
FW
ウインガーとして京都サンガでブレイクした小屋松知哉を獲得した。金森健志やアン・ヨンウら既存選手含め陣容は充分な体制になった。昨年期限付き移籍だったチアゴ・アウベスが完全移籍に移行した。
CFは実績十分の豊田陽平と金崎夢生が熾烈なCFを争う構図になるだろう。彼等で多くのゴールを量産出来れば上位進出も見えてくるはずだ。大阪体育大学から加入する林大地は、前年に特別強化指定選手としてデビュー済であり、故郷大阪開催となったセレッソ大阪戦でゴールも決めている人も少なくないだろう。
